金海空港から亀浦(구포)へ、亀浦からKTXで1時間余りで東大邱(동대구)駅に着きました。
おしゃべりしているとあっという間に到着、あわや乗り越すところでした。
東大邱駅 |
■70-80年民主化運動の地、今、文化のかおる街
大邱は1970~80年代軍事独裁政権を主導した三人の大統領、朴正熙、全斗煥、盧泰愚の出身地です。
-軍事独裁政権が続いた70-80年代、それを打破しようと闘った「学生民主化運動」が最も盛んな時期でもあった。催涙弾のガスに涙を流しながら民主化のために闘った私たちの先輩たち、同僚たち、後輩たち。彼らが憤懣やるかたない思いを吐露しながら、一杯のマッコルリに希望を見出して未来を夢見たのが、当時のデポチプだ-(鄭銀淑『マッコルりの旅』)
伝説のデポチプのハルモニは引退されたとのこと。
今回の大邱は、げら子の友人のギャラリストが懇意にしておられるアーティストの展覧会にお邪魔する、これがメインの目的です。ギャラリスト俊子オンニの後について珍道中の始まりです。
「鳳山文化会館(봉산문화회관)」は2004年設立、 大邱の芸術家の作品の発表の場のようです。
ポンサン文化会館、ポンサン文化通り メイン通りから入った路地 |
げら子 着ましたね。文化の香りがする。
ほら、掘り出しモンありそうな骨董やさん、手づくりのブティック
や、 ええけどな高そうやな。
ごん太 静かな落ち着いた街並みや。ちょっと入った路地は韓国の家、
ええ佇まいやね。
ちょっとワクワクしてきたで。はよ、行こ!
-「紙物・-空-」は韓国の現代アート作家「宋光翼(송솽익)さん」と日本の作家「伊藤祐之さん」との二人展です。
-「彼(宋光翼)は熊手鍬で畝を作って畝間と深さを推し量る農作業を掘り起こす農夫の視線で労働の価値と観照をテクスト化する(金永世 09.5 ポンサン文化会館)
なんか難しいこと言うてはるけど、
入り口入ったとたん空気が違う!
見たらわかるねん!!ね、ほら。
ていねいにていねいにひとつひと
つ手仕事を積み重ねて、気が遠
くなるようなことを積み上げて作っ
てはる。
あ~、心が澄んでくるワ。
ごん太 ほんまについてきてよ
かった~。
ここは時間がとまったみたいや。
宋さん、アーティスト、ギャラリストのみなさん |
■この日はオープニング。幸福食堂(행복식당)で○×△□▽・・・・。
宋さん、宋さんのお仲間のアーティスト、伊藤さん、みなで「幸福食堂」へ
繰り出しました。
乾杯!不老マッコリをやかんにいれて 宋さん・金さん 伊藤さん |
皆さん、芸術談議してはるんやろなぁ。
すんごい早口で一斉にしゃべりはるから、
ボクさっぱりわかりません。
「マッシッソヨ」
「イエー」
「ケンチャナヨ」 の繰り返しだけや。
げら子 そやけど皆三々五々やってきて、主賓を待つとかせーへん
ねんね。もう5回位乾杯したで。
皆さん芸術家には見えへん、普通のおっちゃんやねん。
って多分日本の芸術家っぽさがない、その人があんな
すごいもん作りはるからその差が楽しいな。
ごん太 それは同感!気取りがあらへん、ボクらも友達みたいに
接してくれはるもん。
げら子 マッコリは「不老マッコリ」。清涼感あってバランスがとれ
た味やわ。チヂミ、スユク、キムチにいろんなつまみ。
普段の晩ごはんのおかずできどらんでええな。
-大邱のマッコリは「不老マッコリ」が90%を占めるようです。(鄭銀淑『マッコルリの旅』)
今回の旅ではすべてが「不老マッコリ」でした。
-と、この日は我らの宿は遠く、途中で失礼することに。すると、宋さんのお気遣いでタクシーで送ってくださるという。そして送って下さった方は宿からまた大邱まで帰られました。カムサムニダ!
その後、歌って踊っての宴が繰り広げられたようです。あ~残念でした。
■大邱の名店、ハンオクチプで「キムチチム」を堪能
翌日もご馳走になることに。
水曜日19時過ぎ、店内はぎゅうぎゅうの満席、これ以上入らないというところに入るのです。
地元の名店だそうです。
キムチチム店 暗い路地を入った突き当たりに |
熟成させたキムチ、色合いが違う 深い味のキムチチム |
げら子 へ~!何とも言えん深~い味。豚肉はボロボロになるまで
煮込んである。キムチは醗酵味がすごく深い味。
ごん太 ボクも初めての味。マッコリもごはんもすすむ。
というても、マッコリはでてこなかったな。
最初、鍋の上にラーメンの袋が置いてあったから、最後に
ラーメンで〆るみたいやな。
壁はみんなのメモ帖や、ボクも書かせてもろた!
げら子 いろんな人が入れ替わり立ち替わりで、ぎゅぎゅう詰めで
座らはるのは、大邱流?アーティスト流?ようわからんけど
「皆友達(모든 친구!」というのが伝わってくるわ。
大邱の2日間は、韓国の前線を走るアーティスト達が集う食堂で「マシッソヨ!」の連続でした。気取らない仲間達の楽しい宴、そこにすんなりと同化できる空気がありました。
民主化を願って闘った若者のその魂が芸術に連なっているのでしょうか。
次回は「民族旅館に泊まる」をレポートします。
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