■清らかな渓谷を登ると海印寺、静謐な「大蔵経板殿」、そして観光する働くオモニたち
静かな渓谷を約30分ほど歩くと海印寺が、そのなかに「八万大蔵経板殿」があります。
-「八万大蔵経版」は高麗高宗王時代、モンゴル侵攻によって焼失した大蔵経を1236年から12年をかけて彫ったもの。(韓国観光公社 『韓国』)
湿度と温度の調整を建物の構造によって行っており700年以上朽ちることなく現存しています。
ここから中は撮影禁止です。大蔵経板が保管されている建物は外から覗くだけで中には入れません。
大蔵経板殿門 八万大蔵経板(韓国観光公社掲載写真) |
げら子 ひんやりしてる、風が吹き抜けてる。それにしても気の遠くなるようなこと、宋さんのアートに通じるとこあると思う。
ごん太 隙間から板がずらーっと並んでる。えらい広いなぁ。見たことないけど国会図書館の書庫てこんなんかな。
遠大な手仕事の御殿を後にして降りていくと、現実の世界です。観光するオモニたちが僧侶の説明を熱心に聴きいっていました。
ごん太 悠々自適のオモニの観光名所みたいやな、京都のお寺の観光光景や。おばちゃんパワーや、おっちゃんはちらほら。
げら子 ほんまやな。あ~ハルモニしゃがんでしもた!
こちらはハルモニが肉体労働してはる。制服のようなジャケットが可愛らしい。
■ポツンと人気のないテンジャンチゲ(味噌鍋된장찌개)店、わらびを干すオモニ
観光地だけあって、下山途中には等間隔に食堂があります。そのなかで金さんがチョイスしたのがテンジャンチゲのお店でした。
9種のおかず 菜のごまあえ、わらび、魚介のつくだに、貝のキムチ 菜のおしたし、ペクキムチ、古キムチ、大豆、正体不明1品 注文したのは、豆腐・菊菜としいたけのチヂミ・テンジャンチゲ |
げら子 次から次と来るわ来るわ!全部で9種類や。では、不老マッコリで乾杯!(金さんは車のため飲めない、我々だけごめんやっしゃ!)
ごん太 とうふが美味いで、タレが辛い!豆の味がそこはかとなく漂う、お見事。チゲの出汁もええねぇ。
お腹満腹、マシッソヨ、カムサムニダ!とお店をでたところに、なにやら干しているご夫妻。
ここでもオモニの存在感ありです。
げら子 これなんですか~!山からとってきたわらび(コサリ고사리)やて。あ、さっきでてきたおかずにあったやつ。
ごん太 そうそう、かめば味がでる。ここで採って手間かけて干して出してはんねん、うまいはずや。
■金さんのアトリエ、そして隣人夫妻のつくったマウワウリ(チャメ참외)のうまさ!
大邱星州(ソンジュ)はマクワウリの名産地、今マクワウリの出荷最盛期です。広大な土地でマクワウリを作っているご夫妻にその場でざくざくとナイフで剥いたウリをご馳走になりました。金さんの仲良し隣人です。
真ん中がマクワウリご夫妻 出荷を待つマクワウリ |
げら子 うわー、甘味が深いで、美味しい!今出荷の最盛期やねんて。主のアボジと可愛いいオモニ、アボジにもったいないくらいやね。お二人ともどしっと地に足ついてはるな。
ごん太 ざくざくとワイルドなんがまたよろしな。これ日本のコリアンタウンで4個千円もしまっせ。なんと贅沢なこと。
最後に金さんのアトリエをご紹介せねばなりません。
庭のオブジェ、向うの蒔はストーブ用、ご自分で巻割り 室内アトリエの作品たち |
玄関から庭、屋内、すべて金さんの作品で埋まり、ゆっくりとした時間が流れています。日本でも展覧会が予定されているそうです。
3日間の大邱の旅(5/1-3)は、通りすぎただけでしたが心に染みました。都会と田舎、名刹、アーティスト、農家、観光の人々との瞬間の出会い、そこで舌鼓をうった数々の食べ物、そして「不老マッコリ」。ソウルや釜山、他の地方都市とも違う空気の土地、ゆったりとして洗練されたにおいを感じました。
そして、伽耶文化、高麗文化から受け継がれた手仕事を、宋さん金さんのアートに見ました。
ギャラリスト俊子オンニ、 山下さんにカムサムニダ!
→俊子オンニ「ギャラリー佑英」HP ご覧ください。
韓国大邱のレポートはおしまいです。
6月中にはタイをご紹介する予定です。